スペインでのカスタネットは民族音楽(民謡)の中で多く使われてきました。初めは貝殻だったり、木片だったりで、中指にはめて2枚の板切れを打ち合わせたり、と原始的なものだったようです。
そんなカスタネットの先祖の時代を経ていつの頃からか親指につけて他の4本の指を自由にするという大きな革命的変化があり、音の表現に大きな飛躍がありました。
細かい連続音、いわゆるフラメンコの中でいう「カレティージャ」という奏法がスペインカスタネットの大きな魅力となったのです。
そしてカスタネットはスペイン音楽を踊るスペインクラシック舞踊の中では定番のツールとなっていきました。
そんな時代、当然フラメンコの中でもカスタネットの名手が大勢現れ、グラン・アントニオやルセロ・テナなどの超絶名演奏が、数少ないですが映像や録音で残されています。